一応わたしも様子見に行こうかな。


そっと歩いてると、



「悪かったって」

「翼のバカ。楽しみにしてたのに」

「ごめん」


非常階段の隅から声が聞こえる。

思わず耳を澄ます。


だって、莉奈と翼が恋人の会話してんの初めて聞くんだもん!


「もういい。クラスのクリスマスパーティー行くから。」

「はっ!?」

「翼は先生とプレゼント交換してればっ」


莉奈の歩き出す靴音が聞こえる。


「ちょっ……待てよ」


そして、何も声が聞こえなくなる。

……こっそり覗く。


はっ!!

もう、教室戻ろう。


早歩きで教室に入る。



「梅ちゃん?顔赤いよ?」

「そ、そうかな?」