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「郁ー!!!
いい加減に起きなさーい!
もう、愛美ちゃんちとお客さん来るのよ?!
いつまで拗ねてるつもり?!」




布団を頭から被っていても聞こえるお母さんの馬鹿でかい声。




(絶対に認めないんだから!!!!)



黙っていると

階段を登ってくる音が聞こえたかと思ったら
ドアが開く音がして


「いーーーくーーー???
いい加減諦めなさい?
あんたがどれだけ反抗したって
決定事項なの!」



あっ、と思ったときには遅かった。



被っていた布団を剥がされ
ヨレヨレのアニメTシャツに
ゴムの伸びきった中学ジャージのズボンで寝ているあたしがあらわになる。



お母さんの顔を見る限り
かなりご立腹の様子。



(やばい。
どーする?!)



「いやん」



「ふざけてると
ベッドから蹴り落とすわよ」


(目が座ってるゥゥ!
やらかしたーーー!)





苦し紛れの策も
火に油を注ぐ形で終わり
絶体絶命。


(ギャァァアァァ!
殺されるゥゥウゥゥ!)



「ママン、ごめんなさい
直ちに起きます」



「それでよし!
早く着替えて、手伝ってよ?」



そういうと
魔王もといお母さんは一階へ
下っていった。




「ふぅぅぅーっ」



(殺されるかと思ったー)




これからのことを考えると気が重い。




あたしの平穏なグダグダライフを
崩されなくてはいけないのか。




「チキショーーー!!!!!
男と暮らすなんて認めないぞォォォオォ!!!!!」





「郁!
うるさい!!!」









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