「…っ!」 とうとう、浜里の足が絡み、転倒する。 すでに足に力が入らなくなってきているのか、浜里はなかなか立ち上がらない。 その間にも、男たちはゆっくりと、だが確実に、浜里との距離を詰めていく。 その光景を見ていた散歩中の彼女は、もう一度月を見上げる。 美しい月が優しく輝き、彼女の淡い瞳の色を濃い色へと変えていく。 月から目の前の集団へと視線を移した彼女は、軽く息を吐き、フードを深く被り、集団に向かって歩き始めた。