チュンチュン...


小鳥のさえずりが、朝一番、耳に入る。

夢のまどろみから覚めたばかりのあたしは、ベッドに身体を横たえたまま、数回瞬きを繰り返した。


「う、ん......眠~...」

「遅刻するぞ。起きろ、葵依(あおい)」


低めの涼やかな声を聞き、がばりと布団を押し退ける。



朝です。

産まれて、何度目か分からない、朝です。