村岡は珈琲の入ったカップを手にして、
俺をリビングへと促した。
一体、何だろうか?
改めて、話す話題といったら……。
俺は固唾を呑んで、村岡の言葉を待った。
すると、
「お手洗いに籠った理由は、お腹の張りと胎動に不安があったからのようです」
「はっ?!」
「この家で、個室に籠れる場所が『トイレ』であっただけで、他意はないとの事」
「それで?杏花とお腹の子は?」
「大丈夫かと思います」
「本当に?」
「はい。漸く、赤ちゃんが下へ下りて来たようで…」
「へ?」
「出先で強い胎動があったとか?」
「……あっ!!」
もしかして、帰り際のあれか?
「恐らく、強い胎動と張りは、胎児が下へ下りる際に子宮の上部を蹴ったものと思われますし…」
「ん?他に何かあるのか?」



