深々頭を下げる村岡。
申し訳なさそうに小首を傾げる杏花。
男の俺には言えない、何か。
それが何なのか、気にはなるが
今は杏花の精神的な安定の方が何より大事だ。
俺の我が儘1つで、
杏花をこれ以上困らせたくはない。
俺は渋々、リビングへと。
杏花と村岡は浴室へと姿を消した。
自ら珈琲を淹れ、2人が出て来る時を待つが、
たった数分の時間が物凄く長く感じる。
俺は熱い珈琲を飲み干し、
2杯目の珈琲を淹れ始めると、
「要様?」
突然、背後から村岡の声。
慌てて振り返ると、柔和な表情の村岡が。
「杏花は?」
「只今、湯船に浸かっておいでです」
「1人で大丈夫なのか?」
「はい、ご安心下さいませ。滑り止めマットを敷いておりますし、湯量も少な目にしてございますので」
「そうか」
「それより、少し宜しいでしょうか?」
「ん?」



