社長と極上の生活



「ごめんね?……もう、大丈夫よ」


杏花はフゥ~と、大きく息を吐き


ゆっくりと立ち上った。


「ホントに大丈夫なのか?」


「ん」


「ホントに?」


俺は心配で心配で……。


だって、今までも『大丈夫』と口にして


何度も我慢し続けた杏花。


俺に迷惑を掛けたくないという気持ちは察するが、


こんな時くらい甘えて欲しい。


そんな風に思ってしまうのは、


俺の我が儘なのだろうか?


辛い時でも俺に遠慮する彼女に


心なしか、淋しさを覚えながらも


俺は助手席にゆっくりと座らせた。


細心の注意を払い、自宅へと車を走らせる。


時より横目で杏花の様子を窺うが、


いつもと変わらぬ優しい手つきでお腹を撫でている。


そんな彼女の様子に安心しつつも


心のどこかで、不安が拭い去れずにいた。