「杏花、出るか?」
「うっ……ううん、大丈夫」
「無理するな」
「ん、大丈夫よ。もうちょっとだけ……待って」
浅い呼吸を繰り返す杏花。
男の俺には何もしてやれる事はない。
俺は仕方なく、
「杏花、ごめんな?先に着替えておくから」
「うっ……うん」
無理して笑顔を見せる杏花。
そんな彼女を残し、先に身支度を。
着替えを済ませた俺は再び浴室へ。
すると、
「だいぶ、治まったから…」
無理に笑顔を作る杏花。
前をタオルで隠しながら立ち上がり、
浴槽から出ようとしている。
「気をつけろ」
俺は咄嗟に手を差し伸べて
彼女を支え、浴室を後にした。
さり気なく着替えを手伝い、寝室へ。
杏花が顏の手入れをしている間に
俺はキッチンでハーブティーを淹れて。
寝室のドアを開けると、



