社長と極上の生活



体ごと回転するみたいにして、


私の下にいた彼は私を覆うようになったかと思ったら


スッと私の上から退いて、クローゼットへと駆けて行った。


すぐさま戻って来た彼の手にはリボンのついた細長い箱が。


そして、時計を確認し、安堵の溜息を溢した。


「ギリセーフ。杏花、お誕生日おめでとう」


「……覚えててくれたのね」


「当たり前だろ。ってか、今日のオープン日だって、本来なら来月なのを前倒ししたんだから」


「えっ?」


「分からなかったか……。あのモール、杏花への想いを詰め込んだんだけど」


「………嘘っ」


「マスコットキャラは『アプリコット』からとった、『コットくん』だし。憩いの場みたいな休憩スペースとかにある目印の名前も杏花の好きな花の名前にしてあるし。フードコートとか食品売り場とか、各ブースの名前も杏花絡みの名前にしてあるんだけど」


「………そう言われれば、そうね」


「あの複合施設丸ごと、杏花へのプレゼントのつもりで造ったから」


「っ……」


要はラッピングされてる箱を開けて、中からキラキラと輝くものを取り出した。


そして、それを私の首元へと。


青緑色に縦に白い光がある石とその周りにふんだんにダイヤが散りばめられたネックレス。


私の誕生石のアレキサンドライトだと思う。


しかも、艶と差す光からして、キャッツアイ アレキサンドライト。


プラチナのチェーンだけでも変わってるデザインだから高そうなのに。


ダイヤの数もかなり多い。


「高かったでしょ……」


「大したことないよ。よく似合ってる」