斗賀を放置出来ないから、寝室へと移動した。
要は寝室にあるシャワールームへと消え、
私はドレッサー前でスキンケアの残りを施す。
程なくして戻って来た旦那様は、
上半身裸で頭にタオルを乗せ、
そのタオルで髪を拭きながらゆっくりと近づいて来る。
イケメンな上、見事に割れてる腹筋と
程よく付いた筋肉質の細身の体に誘惑される。
フェロモン垂れ流しの旦那様は、
余程疲れたのか、ベッドに腰掛け首を回した。
「杏花」
鏡越しに差し出された手を確認する。
トクトクと早い律動の鼓動を感じながら腰を上げ
彼の手のひらにそっと手を乗せて。
すると、彼の胸へと手繰り寄せられる私の体は
入浴後の少し高めの体温の彼の素肌に到着した。
半乾きの彼の髪を拭きとるようにタオルに手を添えると、
私の腰を抱き支えた彼は、そのままベッドへと倒れ込んだ。
要の体に乗る体勢に、ドキンッと胸が跳ねる。
後ろ首に添えられた手に力が入り、彼の顔へと一気に距離を縮めた。
長い睫毛が上下して、真っすぐ見つめる瞳が熱い。
「杏花」
名前を呼ばれたから視線が無条件に絡まって、
条件反射のように瞼が下りる。
重なる口づけは不安になっていた心も一瞬で満たしてくれる。
今朝したキスよりも濃厚で、
時間に追われたキスとは違う、彼の想いも込められていて。
添えられる手のぬくもりと
上半身裸の彼の素肌が、私の胸の鼓動を一層早める。
パジャマのボタンを1つ外した所で、指先がピタリと止まった。
「杏花、ごめん、ちょっと待って」



