社長と極上の生活



ぐっすり斗賀が寝ていることもあって、


今日も2人で入浴することになった。


いつ起きるか分からないこともあって、


気分的にのんびり出来ない私達は


手早く体と髪を洗って、湯船に浸かる。


昨日は初日という事もあって、


夜空を楽しむ余裕が無かったけれど


2日目とあって、今日は夜景と夜空を堪能出来た。


「寒くないか?」


「大丈夫」


3月と言えど、別府の街が一望出来る高台にある為


空気が少しひんやりとしていて、


風が吹くと肌が冷っと冷気に襲われる。


そんな体を温めるように湯船にしっかりと浸かっていると


要が私の背中に指文字を始めた。


「もう一回」


何て書いてるのか全く分からない。


横に短い線、次に縦に長い線、そしてまた短い線。


「カタカナのエ?」


「近い」


「近い?……土?」


「あー離れた」


「離れた?……何だろう?次の文字をもう一回」


要が書いた文字は幾つもあって


それがどれも画数が少ない。


そんな文字、あったっけ?と思った、次の瞬間。


「あ、……分かったかも」


要が書いたのは『I love you』だ。


ほんの少し振り返って、肩越しに彼を見据える。


そして、私にしては珍しく、


チュッとする感じに目をぎゅっと瞑って唇を尖らせてみた。


彼の愛はしっかりと受け取れたから。


すると、背後から優しく抱き締められた。


肌と肌が直に触れ合い、ぬくもりを感じて。


「そろそろ出るか」


「そうね」