ジャズフェスの課題曲でもあった『Spain』
音楽通なら誰でも分かる有名な曲。
序盤はしっとりとメロディーを奏で
後半は勢いのある曲調に変わり、
場の雰囲気を盛り上げるには最高の曲。
私のカフェでも頻繁に掛けているから
メロディー自体は覚えてる。
ただ、三味線で弾けるかどうか……?
あんな速いテンポに指がついていけるかしら?
一抹の不安を抱きながら、竿を握ると……。
要の演奏でアンコールの幕が上がった。
会場はシーンと静まり返り、要の演奏に酔いしれる。
そして……―――………
早苗さんのドラムリードと
和成さんの奏でるギターの音色が加わり
美しい音色のハーモニーが響き渡る。
それに折り重なるように私の音色も融合した。
曲が演奏し終ると、
ひと際高い歓声が会場を包み込んだ。
言葉に出来ない程の達成感と高揚感、
そして、心の底から溢れ出す安堵感で涙が零れ出した。
そんな私の肩を要が抱き寄せ、
メンバー共、深々お辞儀をしてステージを下りた。



