要が私の元へ歩み寄って来て、
「杏花」
「ちょっと、どうしよう?!」
アンコールだなんて考えて無かったから大パニックだよ!
そもそも、私はこういうステージパフォーマンスに慣れてない。
要は大衆の視線を浴びても動じないだろうけど、
私は一般庶民の出なのよ?
今ここに立っている事さえやっとなのに……。
必死に涙目で訴えると、
優しい眼差しで背中を擦る……要。
会場からヒューヒューっと歓声の口笛が鳴り響く。
すると、
「三味線で『Spain』弾けるか?」
「Spain?」
「あぁ。……どうだ?アレなら盛り上がるだろ」
「………うん、多分弾けると思う」
「俺がリードするからついて来い」
「はい!!」
要がメンバーに声を掛け、
その場で『Spain』を演奏する事になった。



