アレンジしたロック調のクリスマスソングを2曲披露し、
ステージのライトが一旦落ちる。
そして、それを合図に観客席にライトが向けられた。
―――――――そう、要に。
何が起きているのか解らないといった様子の要。
その横で沢田さんが口説きに掛かる。
慌てる様子の要がステージからよく見えて、
会長夫妻も和成さんも大爆笑。
すると、
「おーいっ、要ーッ!!お前も来いよッ!!」
ステージ上から和成さんが叫ぶと、
一瞬で固まった要。
物凄い目でこちらを見ている。
そして、会長夫妻が手招きすると、
会場から『上がれ』コールが起こり始めた。
それを見て、渋々といった表情の要は
村岡さんに斗賀を預け、ステージ上へやって来た。
「俺は………何を?」
察しの良い要は覚悟を決めた様子。
「では、ピアノをお願いします」
私は右端のシンセサイザーを指差すと、
「マジかよ」
ボソッと呟きながらその場へと向かった。



