社長と極上の生活



暫く、彼女からのラブコールを堪能していて気が付いた。


暖房が効いているとは言え、


杏花の足元は寒い筈だ!!


俺は一瞬で頭が冷め、


飛び起きようとした、その時。


「要………おやすみ」


優しい声音が耳に届いた。


そして、スッと離された彼女の手。


心地良い感触も遠のいてゆく。


ベッドサイドに膝をついていた彼女は


ゆっくりを腰を上げて、踵を返した。


―――――――その瞬間!!


「へっ?!!」


彼女が声を漏らすもの当然だ。


俺が彼女の手を掴んだのだから………。


すぐさま振り返った杏花。


俺らの手先から俺の顔へと視線を移し、


「要、起きてるの?」


「………ん」


「もしかして、私が起こした?」


「………いや」


薄明かりで分かり辛いが、きっと彼女は苦笑している。


俺は掛け布団をそっと捲り、


「おいで」


優しい声音で囁き、彼女の手を引き寄せた。