社長と極上の生活



重い瞼をほんの少し開けてみる。


身体からまだ疲れが抜け切っていないからなのか、


起き上がる気力は無いらしい。


薄らと見える景色は薄暗い。


やはり、まだ夜中のようだ。


2~3時間は寝たか?


身体が幾分か楽になった気がする。


再び、寝入ろうと腰を捻りかけた


―――――――その瞬間!!


??!!!!


寝返りを打とうとした際に


薄らと俺の視界に入ったモノは………。


俺の鼓動が一瞬で踊り狂う愛しき妻の姿。


これは、夢か?


まどろむ瞼を必死にこじ開けようとすると


何やら指先に伝わる心地良い感覚。


瞳を閉じてその感覚を味わうと


―――――――これは夢ではないらしい。


杏花が俺の手をそっと握り、


親指の腹で俺の手の甲を優しく撫でている。


先程、俺が感じた心地良い暖かさは


恐らく、彼女が手を握ってくれているものだろう。


そんな風に心の中で1人納得し、


今のこの甘い時間をゆっくりと味わい始めた。