上階の寝室にあるシャワーで1日の疲れを取り、
俺は吸い込まれるようにベッドへ潜り込んだ。
緊急事態からの緊張から解放され、
疲れがどっと出たらしい。
最近、寝付きが良くなかった俺だが
今日ばかりはさすがに引き込まれる。
室内に響く空調音を子守唄代わりに
―――――夢の世界へ
11月には珍しく、心地良い暖かさ。
ふんわりと優しい香りがするのは夢だから?
あっ、そうか。
暖房の風に乗せられ、
杏花の好きなアロマ加湿器からの香りだ。
流産危機の際に、気落ちした杏花を励ます為
あれやこれやと試した俺。
彼女の笑顔が見れるならと、
良いと言われるモノを片っ端から試したっけ。
そんな記憶すら薄らいでいる事に気付き、
時が経つのは本当に早いものだと感じた。
―――――――ん?
何かがおかしくないか?
俺は温度設定してある室内に入って
シャワーを浴びた後、ベッドへ潜り込んだ。
けれど、アロマ加湿器のスイッチは
押して………ない……………よな?



