「もしもし?」
「あっ、おはよう。もう起きてたの?」
「あぁ、おはよう。授乳で起きたのか?」
「あ、うん。ご飯食べたの?」
「いや、まだ。……杏花は?」
「私もまだ」
「メール、ありがとうな」
「え、あ、ううん。変なメールして、ごめんね?」
「いや、嬉しかったよ」
「仕事、上手くいったの?」
「あぁ、何とか。全部が全部じゃないけど、とりあえずは」
「……そう。今日は帰って来れるの?」
「あぁ、そのつもり」
「じゃあ、要の好きなミネストローネ、作って待ってるね?」
「フフッ、じゃあ、早めに帰るな」
「うん♪」
電話越しに杏花の弾んだ声が聞こえた。
「杏花」
「ん?」
久しぶりに聞いた彼女の声はどれも
俺の心にスーッと馴染んでゆく。
そんな彼女に……。



