「なぁ、聡」
「えっ?………………ん?」
俺の口調が『社長』から『要』に変った事に驚くも
そこには敢えて触れずに聞き返してくれる。
「その、…………逢えない時はどうしてるんだ?」
「え?………逢えない時か?そうだな……」
沢田は前を見据え、運転している。
俺は窓枠に肘をつきながら流れる景色を眺めて。
「電話はするし、メールもする。お互い不在だと解っていても、お互いの部屋に来たという痕跡を残したり。後は交換日記みたいな変なノートを書いてるな」
「は?」
「まぁ、交換日記は言い過ぎだけど、お互いに言いたい事を言いたい時に呟くみたいな?それに、メールでなく、直筆ってのが意外と古風だが安心出来たりするもんだ」
「………へぇ」
「まっ、最初の頃はそんなノートは無かったんだけど、いつからか、アイツが書くようになって、何気にテーブルの上に置かれてるそのノートに返信みたいにメモしたのがきっかけで」
「ふぅ~ん、なるほどな……」
ちょっと照れくさそうに話す沢田。
そんな沢田を横目で見ていた。



