今回、土砂崩れが起きた現場は
木材を乾燥させる為の倉庫兼工場。
木材は切り倒してから材木として使用するまで
早くて3か月、大きな材木は2~3年かかると言われている。
俺が手にした表には、災害現場の他にも
木材乾燥の倉庫内の材木内訳(乾燥度合い)が記載されており
そこへ赤ペンで追記してある不足数が今回の被害数。
恐らく、梁瀬社長が記したと思われる。
プロジェクトの施設に使用する材木の3割が被害に遭った。
工事予定を変更するとなると、
人件費やらその他諸々、
かなりの出費になる事は避けられない。
けれど、これは『赤字』云々では言い切れない
………そんなプロジェクトだからこそ、
俺は意を決して、予定の変更を決断した。
俺の言葉に梁瀬社長は男泣きを見せた。
仕事堅気の職人の流す涙。
これほどまでに今回のプロジェクトを支えてくれる心意気に
―――――俺は心底心を打たれた。



