社長と極上の生活



「………ったく、斗賀ばっかり」


要は目を瞑ったまま、ボソッと呟いた。


……寝たふりをしてたの?


ゆっくりと瞼を開けた要はチッと舌打ちをして、


「仕方ねぇなぁ、ちょっとだけだぞ?」


またしても、斗賀へ牽制するような口調で。


フフッ、ホント、大きな子供ね。


オムツ交換を済ませ、


ベッドサイドで授乳を始めると


「ん?!」


私の背中におでこをつけ、


「杏花」


彼はとても切なそうな声を漏らした。


「……どうしたの?」


授乳中の私は振り返る事が出来ず、


肩越しにそっと声を掛けると、


「…………れない」


「へ?」


「…………杏花がいないと……寝れない」


「ッ!?////」


彼の一言が心に突き刺さった。


切なそうなその声は


やっとの想いで紡ぎ出されたかのようで。