「…俺、おかしいわ…
振られとんのにはぐらかさずに康太がそうやって答えてくれた事が嬉しいんや」
「俺な…お前の事、ずっと一緒に居るからお前以上に分かる」
「はぁ?」
伊賀さんは一呼吸おいてそれから言った。
「近々お前は俺以外の奴に惚れる。お前をよう見てくれてる奴が居る。
俺は好かんけど、それに気づいた。だから、真面目に答えて振るのも有りか、とそう思ったんだ」
段々少しずつだけど、伊賀さんの関西弁がなくなってきている事に俺は気づいた。
それはきっと…
切ないシーンにひたすら涙の俺は油断していた。
だけど、これがまずかった。
「うわ…誰だお前!?…………もしかして篠原槇か!?」
―――――――――――姉ちゃん、どうしよ俺、居場所ばれちゃった。


