「そう言えばさ、俺、律に前から聞きたい事あったんだよ」
「何だ?」
俺はうどんをすすり、槙に目も合わせず聞き返す。
「律ってさ、あんまり人の名前呼ばないよな」
「は?」
何を言われているのか意味が分からなかった。
「だって花峰先輩の事は八方美人って呼ぶし、牛丼さんの事は金髪野郎って呼んでた」
「…何が言いたい?」
「いやーだから、他の人はどう呼ぶのか気になって…っていうか律のあだ名って微妙に的確だし…鬼畜ぶり要素が伝わってるし…聞いても良い?」
特に意識した事はなかったが、確かに言われればそうかもしれない。
別に断る理由もないし、意味の分からない会話は今に始まった事ではないので俺はコクリと頷いた。


