そして俺は休憩時間、必要以上に会話もせず、エンジェルたんをあえて視界に入れることなく、着付けの時間までは精一杯与えられた客間にこもっていた。
『時と場合を考えないとな』
『ほかにも対処法はあったと思います』
『適当にごまかせばいいってもんじゃないと思うな』
これらはさっきのマイナス面の評価をしてくれたお客様たちだ。
言い分はもっともなのだ。しかも、余程宣伝していたのだろう。かなり視線を浴びた事を覚えている。
俺なんかじゃ、役不足って事は分かってるけどせめて礼儀ぐらいはわきまえるべきだったよなー…
引き受けるって言ったんだから最後まできちんと仕事しないとな。写真のためのも、人としての礼儀のためにも。
落ち込んでないって言ったら嘘になるけど、それでもウジウジしたって始まらない。
俺はやる時はやる男だ。むしろどん底の方が調子づいていないので失敗は少ないから好都合だ。
『それに、一生懸命あなたは頑張ってましたから』
うん、頑張ろう。


