「…あの、他には?」
「それ以外は何も思いませんでした」
ニコリと優しく微笑んでくれる目の前の清らかな女性さん。
その清らかオーラを良い事に思わず俺はさらに問い詰める。
「でも、あんな場を壊すような雰囲気の歌声はかなり不快だったでしょう!?」
すると目の前の女性は思い出すようにしばらく考え込んでから、言った。
「でも、そんなにずっと熱唱してたわけじゃないですし。あの、注文する度に声の大きかった人があなたに何か言ったんでしょう?私は先ほど述べた通り面白かったし。だから今日もこの店に来たんです」
…俺は目の前の女性が神様に見えた。
「それに、一生懸命あなたは頑張ってましたから」
まぁ、私個人の考えなので他の方は知りませんけどと言った所で別のお客様から注文が入ったので俺は礼をしてすぐさま職務に戻る。
お客様もちゃんと見てくれてる人居るんだなー…
そう思うと嬉しくて、少し俺の心の中が温かくなった。


