そして俺は考える。
…ちょっと待てよ。
それならもしかして昨日の俺に失態について意見を聞けるんじゃないだろうか?
「…あの、すみません。少し質問してもよろしいですか?」
「あ、ハイ」
「昨日の…歌、どう思われました?」
「……………」
やはり不快だったのだろう。覚悟はしていたけれどこの店の盛況ぶりをみてもしかしたら…とか思ってた。でも、やっぱり現実は甘くないんだ。きちんと受け止めよう。
「あの、正直に言って下さい」
本当に良いんですか?と尋ねられ、俺はハイと頷く。そしてお客様が言われた言葉はこうだった。
「…音程かなりずれすぎて面白かったです」
あぁ…穴があったら入りたい。


