「…律?もしかしてなんか怒ってる?」
『…別に』
「嘘つき」
俺がそう言うと、深いため息が聞こえてきた。何で?
『そんなに楽しいなら、1週間くらい泊まって来い』
…律ってバカだ。
何で俺が嬉しそうにしてるのかまるで分かってない。
いつもの俺ならここで違うと全力否定をするのだけれど、俺だってこれでも落ち込んではいるわけで。
そんな時に見事なまでのすれ違い。
もう、コレは…
「律のアホバカオタンコナス鈍感野郎!!」
それで俺は強制通話終了。ブチッと切ってやった。
人に散々鈍感鈍感ってバカにしといて自分もそれだろ?なんかムカつく。
律だってあんなに鈍感じゃん。人の事言えねーじゃん。それなのに俺の事いっつもバカにしてさー理不尽だ。
それから何度か律から折り返し電話がかかってきたけど無視をした。
詰まる所、拗ねてた。
でも、皆はこの俺の気持ちを分かってくれると思う。…エンジェルたんの家族には話さないけど。きっと俺の方に同情してくれるに違いない。
そして俺はどこにもやれぬ鬱憤を抱えながら、明日で挽回するための計画を立て眠るのだった。


