【BL】腐男子な俺の恋フラグ




「…でも、別に俺、接客が慣れてないわけじゃないんですよ…」



「え?」




「…昔、姉貴の大事な漫画本を汚してことがあって…全財産献上しろって言われたんです。当時中学生だった俺は泣く泣く姉貴の言う事聞いてお金全部差し出しました。そしてその時俺に姉貴が言ったんです」






そう、コツコツ貯めていたのだ。

泣きべそかきながら本気で反省の色を浮かべ、それでも姉貴が恐いし恐いし恐いから貯金を無抵抗に本当に全部献上したのだ。


そんな俺にかけられた言葉は労りでも、優しい言葉でも、ましてや冗談よ…なーんて言葉でもなかった。






「少なすぎ…舐めてんの?って。だから俺は中学生でアルバイトは禁止されているけど、なんとか無理矢理頑張ってアルバイトさせてもらったんです」







だから接客は初めてではないのだ。






「…因みにどこで働いていたんだ?」


「…黙秘権で」



「…そうか。もしかして槙のお姉さんは鬼にでも育てられたのか?」







さすがの真面目なエンジェルたんでも姉貴の性格には度肝を抜かれたらしい。
エンジェルたんの口からこんな言葉が出てくるなんて思ってもみなかった。


でもね、エンジェルたん。それは違うんだ。間違ってるんだよ。






「いいえ、サタンに育てられたんです」





あの人が俺の血縁者なわけないんだ。
最近そう思い始めてる。