でも、相当着付け係の人の腕が良いんだな。上手い事骨格出さないようにしてカツラもずれないようしかも地毛っぽく見せてるんだから。
でも俺、ノーメイクなのになー…良いのかなー…
何でバレないのか不思議だ。別にメイクしたくなかったから良いんだけど。むしろあえてされたくないからメイクの事には触れないようにしてたんだけど。
「と、ところでお客様ご注文は?」
ここはエンジェルたんの店だ。営業スマイルだ。
一応この変態親父も客だからな。我慢してやる。
「槙ちゃん、って言ったら?」
「寒気が走る」
しまったぁぁぁぁぁあああ!!
やってしまったぁぁぁああああ!!
もう俺はパニくった。だからもう思いつく限り、頑張って…
「…走るー走るーわけーなーいー。流れーる汗は止まらーなーいー」
――――…頑張って歌ったよ。


