【BL】腐男子な俺の恋フラグ




衝撃的な初めましてを終えた今、俺はと言うと…






「槙ちゃーん!儂のテーブル寂しいんやけどー」



「はい、ただいまー」






接客業の真っ最中である。
別にこのセリフだけを取り除いたら未成年立ち入り禁止のお店と誤解するかもしれないが、ここはれっきとした宇治抹茶店である。

2階がお店で、1階がお菓子売り場――店で提供したメニューのカステラやなんやらを販売しているというスタイルだ。


そして1階の呼び込みをエンジェルたんとお父様。お客様に商品を細かく説明したりする場面があるので俺は当然外された。
だから俺は2階のお店をお母様と担当している。

メニューの料理を用意するのはお母様だから、必然的に俺は接客担当になるのだ。
ここはそこまで広いお店ではなく、知る人ぞ知るといった道沿いの裏道路にある。けれど、由緒正しく歴史もあるせいか客足は途絶えない。店内には2人連れが5組入れば埋まってしまう広さだ。1階は2階よりも広いがそこまで大きいものではない。





「槙ちゃんって臨時のアルバイトさんなんやろ?臨時の割にはえらい美人さん連れてきよったよなー」





…あの、そんなジロジロ見んといて下さい。恥ずかしなります。いや、すでにこの女装で恥ずかしいんですけど。

つか、セクハラで訴えるぞこの親父。