「…ホント槙ってテンションが上がりすぎたり下がりすぎたりするとよく語るよなー」
葉が困ったように笑う。
「…何回同じ話をする気なんだ」
香川は呆れたようにため息を吐いている。
…おい、待てよ。それは初めて語る事じゃないのか?いつもこんな風に俺の事を語ってるのか?
「でも、いつも思うんだけど、何でそこまで皇が好きなのに槙君それを皇に言わないの?いつも明らか様に皇と居ないよう努めてばっかでさーそろそろ理由教えてくれても良いんじゃない?」
「…花峰先輩なら分かるでしょ」
「分からないから聞いてるんだよ」
…絶対分かってるだろ。
しかもアイツ俺の方をチラッと見たよな。
絶対気付いてやがる。
席的に葉と園は奥側に座っているから俺が立ち聞きしている事に気づいてもおかしくない。というより気付かない方がおかしい。ココ、隠れる死角がないんだ。
反対に篠原と香川はドアに背を向けている状態なので振り向きもしない限り気付かないだろう。


