「ねぇ、皇」
「なんだ?」
「槙君の事、本当に見切りつけちゃったの?」
―――コイツは本当にきわどい質問をしてくるから困る。自分の事に関してうといくせに他人の事にはめざといんだ。
俺は顔も上げず、書類を片づけながら答える。
「つけられないから困ってるんだ」
「…皇の気持ちも分かるからあんまり強く言えないけど…そろそろ槙君限界なんじゃないかなぁ…」
「まぁ、キスされたしな。あそこまで避けるならそろそろ生徒会辞めるかもな」
「皇って僕に鈍感鈍感言うけど、自分も相当だよね…あぁ、槙君だから余裕ないのか…」
さっきから園は何をグチグチ言ってるんだ?
意味が分からない。
「じゃ、僕も仕事終わったし、先に帰るね。デートなんだ」
「んじゃ、俺も。帰るな」
そう言って園と葉は2人仲良く立ち上がり、生徒会室を後にした。
…あの2人、本当に付き合ってるんじゃないだろうな…
別に構わないが、俺は振られているのに今のタイミングはかなり腹が立つ。


