「今日は金曜日だから…俺が好きな英語の授業があるから…そんなに学校へ行かせようとしてくれてるんだろ?」
…コイツは分かっているようで何も分かっていない。
「だって律、さっき曜日確認してたし、時間も確認してた。それって英語が1時間目にあるからだろ?」
―――鈍感なくせに何故こういう事はきちんと見てるんだ?
「俺は、律の方が大事なのに…何で分かってくれないんだ?」
…そんなの、知らねーよ。
そう言い残し、槙は台所へ向かった。俺は何の反論もする気がなかった。
あーあ…
そんな槙の後姿を見て俺は苛立ちが募るばかりだ。
あれだけ、酷い言葉を浴びせたのに。こんな奴放っておけば良いのに。
何故、槙はそんなに俺に構うんだ。俺ならとっくに見捨ててる。


