「キス、したいとか…」
その刹那。俺は律に胸倉を取られる。
あぁ…ここで俺の人生は終わりだ。姉貴に殺されるより律によって最期を迎えられる方がまだ幸せだよな、俺。うん、そう思おう。
我が人生に一片の悔いなし!
しかし、ビビッて目を閉じた俺に襲ってきた衝撃は、予想したものと全く違うものだった。
「〇△✕◆☆♭…!!っ!!?」
俺はまさかの出来事に対応しきれない。
何故なら…
「ッ…んっちょっと律!?」
「何だ?」
何って今の…
「俺にキスした!?」
すると律は淡々とした口調であぁ、と一言言って頷いた。
何このテンションの温度差!!しかも律、やっぱりキス上手いし…
ってそんな事はどうでもよくて。
「何で!?」
そう、重要なのはこっちだ。


