ゲホッ、ゴホッとみっともなくむせる俺にさらに会長は追い打ちをかける。
「しないのか?」
うわ――――ん!
なんか今日の会長冷たい!なんか怒ってる?
「…しますよ」
「いつ?」
「…でも、今はしたくないんです」
俺は律に怒ってるんだからな!
なんだよ、忘れろって。俺がそんな事忘れる奴に思えんのか!?
律にはどうせ俺の気持ちなんて分かんねーよ!
「…お前らってホント仲良いくせにすれ違いばっかだな」
「仲良いと思ってるのは俺の方だけでそこまで仲良くないすよ」
「は?」
「…律が俺に構ってくれるのは俺が律にずっとくっついてるからです」
本当に仲が良ければ、俺が出て行くって言った時、引き止めたりするはずだ。
俺が逆の立場なら絶対そうする。
だけど、律は違う。黙って見送るだけだ。
俺から離れれば、律は何も行動を起こさないんだ。


