自分は俺が6か月も前に言った自己紹介を覚えているくせに。
あんな、どうでもいいふざけた回答を覚えていてくれたくせに。
何で、俺だけ…
律は俺の言葉を覚えて良いのに俺は律の言葉を覚えちゃいけないんだ。
そんなの理不尽すぎる。
「俺にとっては人生で1番嬉しい言葉だったんですよ…会長ー…」
「ハイハイ」
そう、行く当てのない俺は今度こそ会長の部屋にお世話になっていた。そして愚痴ってた。
運よく、先生の体調不良で6時間目が自習になった会長は帰宅。部屋の前でたむろしていた俺と遭遇したのだ。
会長の部屋はやっぱり内装が豪華だった。もう、学校からの待遇が凄い。同じ寮内だとは思えない。
「そう言えば牛丼さんは何で寮じゃなくてアパートに居たんだろ?」
「…牛丼さん?」
「あ、金髪の前風紀委員長」
「あぁ…彼は蛍のアニキが手出したって言うから俺が静かに療養出来て病院も近い移動に便利な場所を提供したんだ」
…要するに城ケ崎先輩の尻拭いってやつですか。


