そうしてヨロヨロと俺は帰宅した。
最近、授業サボりすぎだよなー…俺。
だけど、今戻ったら、律と顔合わせる事になるんだろ?
いや、律が帰宅したら顔合わせる事になるんだけど、分かってるんだけど。
ちょっと落ち着く時間が欲しいと言いますか。ハイ。
「俺も牛丼さんの事、笑えないよな…」
相手は律だし。
小説やマンガなら相手がノンケでも、彼女と付き合った事がある奴でも、絶対最後は両想いになる。
だけど現実はそんなに甘くはないんだ。
BL率の高い男子校でもキス写真は撮れない。
相部屋の人はノンケ。
時期外れの転校生君は来てくれない。
会いたい時にすぐ会えない。
――――俺の想像とはいつも違う方向に向かうんだ。
俺は静かな、掃除がきちんと行き届いている部屋を見渡す。
「…ホント、律は何をやっても完璧だよな…」
家事、世話、料理、スポーツ。
何でも出来る。
おまけにカッコ良いし。そりゃ、皆さん惚れますよね。


