腐男子宣言をした後でも、律が俺を抑制してくれていたのも
周りに睨みを利かせて俺をかばっていてくれたのも
写真の事を黙っていたのも
キスの件の犯人を俺に言わなかったのも
全部あの時―――初めて律に出会った自己紹介の時―――俺が女の子が好きだと言ったから。俺もノンケだと言ったから。
『違います。おにゃの子大好きです』
―――あんな、ふざけた6か月前の自己紹介を律は覚えて俺を守ってくれてたのか…
別に俺はモテるタイプじゃない。そんなの分かってる。
でもココはBL率の高い高校で、いつ、誰が狙われるかなんて分からないんだ。
だって現に俺みたいな奴が生徒会に入ったり、会長と仲良くなれたりしてるんだから。
だから、律はその“もしもの可能性”を考えてずっと俺の傍で行動してくれていたんだ。
別に律に守ってもらいたいと思った事はない。
だけど、俺がいつだって自由に楽しく行動できたのは律がいつも陰で支えていてくれてたからなんだ。
――――今気付くなんて、ホント、俺ってバカだよなぁ…


