「お前かよ!!」
「…はぁ?」
だってさ、だってさ。周りは俺に散々キスしたの律じゃね?律じゃね?みたいなオーラ出してたじゃん!?なのに結果はまさかの牛丼さんって!!牛丼さんって!!おかしいだろ!?
なんか俺、期待しちゃったじゃん!やっぱり律じゃないじゃん!!
俺がグルグルどぎまぎしてた時間を返せバカヤロー!!
「…牛丼さん、恨んでやる…」
ずっと、俺だけはって思ってたのに。
「…ごめんな。そんな顔をさせたないから、お前の相棒も俺にここまで殴りかかってきたんやろうな」
律がどれだけ周りに騒がれても、俺だけはノンケを貫いて好きは好きのままに止めようと思ってたのに。
「お前にキスしとう所バレて、すぐさま香川に連行された後、アイツ、散々俺を殴り飛ばした後に俺に言いよった」
律は本当に、鬼畜でも友達思いの良い奴で。
でも、それは“友達”だからも知っているのに。
「―――アイツはノンケなんだ。何、勝手に手出してんだってな」
だから、こんな気持ち自覚したくなかったのに。
…どうして俺の心臓はまたうるさくなるんだよ。


