「ま、槙は忘れとうやろうけど、『今は辛いでしょうが伊賀さんの言ってた新しい相手をみつけましょう!』って言ってくれたんや。思い出したか?」
確かに、そんな事を言った気がする…でもそれは俺なりに考えた酷い台詞ランクイン言葉なんですが。
「ずっと康太ばっかり追いかけてきたけど、槙のおかげで視界もひらけた。前みたいにずっと目で追ってたあの頃より辛くなくなったんや。でも、それは槙の助言があったからや…とか思っとったらやたら槙の事が気になり出してな」
「…でも、そんなのは、俺じゃなくても…」
「そうやんなぁ…俺もアホやで。2度も振られんの分かる奴ばっか好きになんねんもんな…」
ホントだよ。どうせなら違う子とイチャコラしたら俺は全身全霊の援護をしたのにさ。
「…だから、情けなくも迷って…夏休み考えて。槙と話した屋上行ってみるか…とか考えたら無防備にお前寝とるし。んで、気付いたらキスしてもとった」
「…牛丼さん、色々言う前に1つ良いですか?」
「おぅ。何でもこい。覚悟の上や」
俺はフーッと息を吐き、そして息をしっかり吸い込んで力一杯言った。いや、叫んだ。


