そして俺が中へ入ろうとすると会長は俺はこれで失礼すると言い出した。
「え?会長は入らないんですか?」
「…基本、アイツとは馬が合わねーんだよ。昨日、殴って骨折っちまったし」
はぁぁあああ!?
「ただでさえ、重症だったんだが…まぁ、だからこうしてアイツの言う事聞いてやったんだ。文句はないだろう」
さすがは会長様。俺様健在。無茶苦茶だ。
骨折ってるくせに報酬ももらってるなんて。神経図太すぎる。
「アイツも悪いんだよ。…あんなマネするからだ」
「え?」
なんか後半上手く聞き取れなかった。
「ま、アイツ動けねーみたいだし。何にもされねーから安心しろ。詳しい話はアイツに聞け。じゃあな」
そう言って会長は本当に去ってしまった。
俺は仕方なく、(一応)インターホンを鳴らし、失礼しますと言いながらドアを開け、中に入った。鍵は開いていた。


