「…槙、そんなに抱き付いてきたら襲うぞ?」
「…襲われたくないけど、会長に犯罪者になってもらいたくない」
俺はギュッと会長会長にしがみつくと、会長はフゥーと息を吐いた。
「…仕方ないな…しかし、槙にアイツは不快感を与えた元凶なんだぞ?」
「もう制裁は充分です」
俺は足りない…とボソリと呟いた言葉は無視させていただいた。きっと幻聴だ。
「で、槙は生徒会室に何の用だ?今、仕事はないだろう」
仕事ないっていうか、多分回してもらってないんだよな。あえて。今日知った。この調子だと、俺が事件関係者の張本人だけど、その内容にツッコんだらさっきみたいな地獄絵図になりそうなんで深追いはやめよう。…俺がアイドルっていうのもきっと俺の隣に居る律がアイドルって事なんだろう。うん、きっとそう。そう思う事にする。
「あ…生徒会室に来たのはたまたまで…でも、会長に会えて良かった」
聞きたいことがあるから。


