俺は、下っ端君を生徒会室という名の拷問室から解放し、外へ追い出す。
とりあえず会長がヤバいからね。
あ、でも1つ聞きたいことがあるんだった。もしかしたら、容疑者③が真相かもしれない。でも、この内容を会長に聞かれたら返答次第ではかなりヤバいと分かるので彼がドアから出て行くときに俺は素早く耳打ちした。
「…あのさ、今日俺が屋上で寝てた時に、俺にキスとかしてたりする?」
「ち、近い…まきた…熱っ!!」
…まさかの俺が話しかけただけで煙が出てる針飛んで来たよ。彼の頬かすめたよ。というより、あの針炙ったんですか。だから熱くて煙出てるんですか。…なんかあやしい薬を調合して塗ってたと思ってた。
でも、かわいそうだがこの回答は俺の運命を左右するんだ。答えてもらわないと。鬼畜でも鬼でも何と呼ばれようとも。
「なぁ、俺にしたのか!?」
俺は手を掴む。彼はますます紅潮する。会長はさらに彼に針を投げようとする…が俺が正面に立ちはだかったので攻撃を止めた。
「しししし…ってか出来ないよ!まきたんは俺らのアイドルなんだからぁぁあああ…っ!!」
その瞬間、いつの間にかポジションを変えた会長が針を下っ端君の手(俺が掴んでる方)に突き刺し、さらには唇の方にまで飛ばしてきた。
俺はとっさに手を放すが、それをするだけで精一杯だった。


