「…じゃあ、律が最近機嫌悪いのは…」
「そりゃあ、自分の大切な人の写真がバラ撒かれてたら機嫌悪くなるんじゃない?調べる度に槙君に対する嫌な情報とかも知ってしまうわけだし」
それって“まきたん”の事言ってます?
というよりあの人、3年のフロアに居たから3年だよな?つまりは俺の写真が3年生にまで広まってるって事?
じゃあ、会長がいつもより異質な笑みを俺に向けてたのは会長もあの写真を見たからなのか!?
「…犯人捕まりそうですか?」
「うん。多分今日あたりには見つかるんじゃないかな。1年だってわれたし」
「そうですか…」
「…やっぱり気分良くないよね?」
あ、先輩に気遣わせてしまった。
そうじゃないのに。
「…別に、写真の事はどうでもいいんです」
でも、と俺は続けた。ずっと引っかかっていたんだ。
「…何で律はそこまでして俺にこそこそ調べたんでしょうか?」
面倒だったご飯まで俺に作って気、逸らして。あれだけ勧誘を断っていた生徒会メンバーと協力して。…全然律らしくない。
すると花峰先輩はなんだ、そんなの簡単じゃないかと言ってクスクス笑った。


