「…噂では教師陣にまで広がってるって…」
―――ねぇ、なんで話題を逸らしたの?
「どうやら広めてるのは1年生みたいなんだ。まぁ、そりゃあ槙君と同学年の方が写真撮りやすいだろうしね」
…つーか、ほとんど俺、律と居るし。俺だって隠し撮りのプロなのに何でそんな隙があったんだろう?
…きっと1年でも相当な手練れに違いない。
「…因みに俺の写ってる写真ってどんな感じですか?」
「頬を染めてて見る者をうっとりさせちゃうような甘い顔写真だったよ」
あぁ…絶賛妄想中の時か。それなら仕方ない。隙だらけだし。…その時はきっと律と別行動だな。だって殴られてないって事だろ。幸せそうに妄想してたって事は。
うーん…あの時か?それともあの時か?…ダメだ。心当たりが多すぎる。メガネはたまにレンズ見るとき邪魔で取るからな。誰も見てないし良いかと思ってたんだけど…ダメだったのか。やっぱり律の言う事は徹底して守らなきゃダメなんだなぁ…
ま、先輩の感想はスルーで。何故ならこの人相当なタラシ王子だからな。褒め言葉しか出ないのは知ってる。キラキラしながら思い浮かべてる表情はいつもの事だし。無視だな無視。


