一体、どれほどお互い無言で時間を過ごしただろうか。
ボーっと静かに流れる雲を見つめていると、突然声をかけられた。
「それで、槙君は僕に何の用事だったの?」
あ、そうだ。すっかり忘れてた。
「…あの、花峰先輩って俺の寝こみ襲ったりしますか?」
「え?して良いの?」
「違います違いますめちゃくちゃダメですすみません!!」
…っていうか、俺の推理全滅なんですけど。
「ハァ…」
…じゃあ、一体誰なんだよ。なんか花峰先輩じゃなくて嬉しかったような、嬉しくないような…複雑だ。
推理外れたのは嫌だけど、花峰先輩には八つ当たり出来るキャラじゃないし…城ケ崎元会長とかなら良いんだよ。あのバカメガネ元副会長とか。…分かるだろ?
「ため息なんか吐いてどうしたの?もしかして律君がらみ?」
…近からずも遠からずです。


