「香川に振られたんだろ?」
俺の腕を引っ張り会長はまさかの、ま・さ・か・の、俺の耳元で甘いゾクッとするような声で囁いてきた。
「いや…ちょっと、別に…」
「見栄張らなくて良いから。俺には甘えろよ。…優しくするぜ?」
イヤダ―――――――――!!!
俺は護身術の応用で腕を振り払い、会長から即座に距離をとった。
「会長!俺に何か構わないで授業で出てください!!お、俺は次まだ行くとこあるんで!!」
そうして俺は逃亡した。
やっぱり会長は大胆で何をしでかすのか分からない。…範囲が広すぎだ。
「―――何か槙にあったのは間違いないな…もうちょっと詳しく調べてみるか…」
そんな会長の小さな呟きは、誰にも聞こえていなかった。
勿論その頃の槙は――――…


