すると彼は顔を赤めながら
「うぁぁぁあああ…話しかけてもらったぁぁああ…!!」
と叫んで逃走してしまった。
…何だ、アイツは。ノイローゼ?このフロアって事は3年だろ?
きっと勉強のしすぎでおかしくなっちゃたんだな。あの単語もどこぞのフィギュアキャラとかと間違えたんだろう。俺、アイツ知らねーし。
しかし、奴の突拍子もない行動で一斉に目立ってしまった俺。
会長の取り巻き達も何があったのかと俺に注目し、静かになっている。…チャンスは今だ。
「城ケ崎先輩!俺、ちょっと聞きたいんですけど良いですか?」
休み時間の残りは5分。…充分だろ。
すると会長は何故か不敵な…異質な笑みを俺に向ける。…なんか怖い。
「槙、久しぶりだな。どうしたんだ?俺に何か用か?」
「あの、質問1つ良いですか?」
「おぉ、なんだ?」
「…今日の1時間目、俺が屋上に居た事知ってます?」
俺は副会長の反省を生かし、露骨に聞くのを止めた。


