なんだよ、なんだよ。あんなにボロクソ言わなくてもいいのにさ!
ちょっと頭いいからってなんだよ!やる事は馬鹿なくせになんだよ!
フンッ、所詮お前みたいな低能な奴とは作りが違うのさ、みたいな言い方は!
やっぱり会いに行くんじゃなかった!無駄骨だった!
こうなったら、次の容疑者だ。別に俺の“カッコ良い”魅力に気付いているのは馬鹿副会長だけじゃない。アレはツンデレのツンでああ言っただけで本当は俺の事カッコいいとか思ってるんだろ。知ってんだからな!
次は生徒会長だ!元、の方な!月帝会長は…律と付き合ってるから容疑者には入ってない。先輩はああ見えて恋人には執着するタイプだ。相手が律ならなおさらだろ。…あー…また思い出したら腹立ってきた。現場見逃した自分にも。隠した会長たちにも。
で、なんで会長が候補なのかというと、俺をしつこく生徒会の勧誘してきただろ?それって俺には迷惑だったけど、俺の魅力に気付いてたからなんじゃないかと思ってな!見る目はあるけど、俺はそんなに安くないんだ。
そう考えている間に会長のクラスへ辿り着いてしまった。
中をひょっこり除くと相変わらず同級生に囲まれている。副会長も囲まれてたけど、ここまでじゃなかった。さて、どうやって連れ出すかな…
そんな事を考えていると、突然不愉快な単語が聞こえた。
「…まきたん…」
“まきたん”…?まさか俺の事じゃないよな?と思って声の方へ振り返るとセリフを放ったであろう奴が俺を凝視していた。
…え?マジで?
「…おい、今お前、俺の事を呼んだのか?」
会長なんてそっちのけで、俺は恐る恐る尋ねる。


