ん…なんだか息が苦しい…
夢、だよな…?つーか、今は沈んでんだから夢ぐらい苦しくない楽しいの、見せてくれよ…
何で息が出来ない溺れる夢を見ないといけないわけ?
「おい」
…あ、律の声が聞こえる…
その瞬間、苦しくなくなった…
そうか、コレは溺れている俺を律が助けてくれる夢なのか…なら、良い夢かもしれない。
やっぱり律は俺をいつも助けてくれるヒーローなんだ。
なんだかんだで律は優しいから…
「…律、ありがとう…」
そう言った時にはすでに現実で。
扉がガタンと閉まる音がした。
…アレ?もしかして律がここに来てたのか?
いや、そんなわけないか…
ゆっくりと身体を起こすと、俺の口から一筋銀糸のよだれが垂れる。思わず口を拭うが何だか“全体的に”妙に湿っぽい。
しかも、起きているはずなのに息苦しい。
この感覚は知っている。
――――…キス、された…?


